National製ラジオたんぱ専用短波ラジオ。クリスタルによるバンド選択式。何も考えずに購入したが、ギリギリこの時代くらいから今と同じ放送周波数に成った為、現代でも使用可能である。
NSB、ラジオたんぱ、現代ではラジオNikkeiという名前になっているが、その放送内容は、平日には、株と為替の第一、音楽のみの第二、休日にはどちらも競馬実況のみの放送である。平日は、株の状況を気にしながら勤労、休日は競馬でパーっと、そんな典型的な”おじさん”なんて現代にまだ存在しているのだろうか。しかし、最早その層に支えられて続いているのが日本の短波放送である。イヤホンはモノラル(ステレオミニプラグは初代ウォークマンからでしたね)。これで聞けば米津だってKingGnuだって地球を数周したり、遠い惑星に反射した結果、奇跡的に遅れて受信した大昔の放送のように思える。
「受信しているようでしたが よくわかりません JUNK」これがこの値段の理由である。私も実物を見て、実際に使ってみるまでは短波放送なんてものがある事実さえ知らなかった。言ってしまえばただのAMラジオなのであるが。朝8時過ぎからの放送で、日暮れと同時にラジオNikkeiは受信不能になる。バンド選択式とはいえ、夜には、韓国語や中国語の放送が鮮明に聞こえてくる。TCPもIPもマイコンさえ使わずに世界と繋がっていたという時代の残響。