ジョーダン・ピーターソン 生き抜くための12のルール 人生というカオスのための解毒剤



「あらためて言っておこう。混乱や破壊を招く能力と、自己を奮い立たせる能力とのあいだには、ほとんど違いがない。これは極めて厳しい人生の教訓だ。」


僕はどちらかというと、おとぎ話のような素晴らしい過保護な家庭で育っていて、全員が武器を捨て、愛情を捨てれば世界にフラットな平和ができるとか夢想するくらいには、人間嫌いの平和主義。まさにカオスに直面して、混乱の最中に居る。 この本は、著者自身、右でも左でもないとは言っている。それが本当なら、僕自身は、かなり深刻な左だったわけだけども、あまりにも論説鮮やか、宗教チックなほど(宗教心理学そのものだけど)なので、ついそれこそ真理だと思わせる危険性がある。
根底にある内容は自己啓発文化であるが、そこまで自己啓発的なことをしていない、というか、題名に反して、簡単なルールを教えれば人生なんとかなるとは、著者が全く思っていない。
原罪というのは、てっきり同族殺しだったり、食べなきゃいけないこととかだと思っていたが、どうやら、理想の自分ではない自分自身らしい。人はそれ(自分自身と、その相似形である他人・社会)を罰したい衝動に駆られることもある。だから死にたいし、殺したくなることがある。あなたの罪は許された(だから目の前のことに取り組みなさい)ってことなのかー。
「純朴な人は、みずからの内部に怒りの能力があることに気づくと、ショックー時には深刻なものーを受ける。(中略) そういう患者は多くの場合、悲惨な出来事とは無縁の、すべてがおとぎ話のように素晴らしい過保護な家庭で育っていた。」
「われわれの第多数は耳を傾けることができない。じっと耳を傾けることは危険が大きいので、評価へ移りたい気持ちに駆られる。いちばん必要なのは勇気だ。われわれは必ずしもそんな勇気を持ち合わせていない」

「少しのあいだ議論をストップし、こういうルールをきめてほしい。『めいめい、前の話し手の考えと感情を正確に言い直し、その話しての満足感をえたあとでのみ、自分自身の話に移る』。」(これは相手の目から人生を眺める。相手側の視点にたつことで、自分の態度や性格が影響をうけるという危険にわざわざ見をさらすのである。)


仕方がないので、一人でも実践しよう。もの言わない聞き手の一歩先、理解の確認をする聞き手。
会話の(パターン・講義・ウィット・勝利を得る・傾聴)

自分自身との互恵待遇協定。自分自身に対して、こうしたらよくなるかもしれないから、協力してくれないか、と願いでる。それに自分自身が答えてくれたら、ちゃんと自分をいたわる。そうでなければ、ちゃんと罰する。「どうだろう、そこの洗い物をやっていただけないだろうか。うん。それがうまくできたら、ソファでゆっくりして癒やしてあげよう。」

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2024/01/22